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ガムの原料(ガムベース)には、樹液に含まれる天然樹脂(チクル、ソルバ、ジエルトンなど)や人工的に合成された樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン)などが使われています。
ここでは、チクルを例にして説明します。
チクルは、植物の樹液からとれる樹脂で、主成分にポリイソプレン(イソプレンがたくさん結合したもの)が含まれています。

ガムを作るときには、このポリイソプレンに、ガムの硬さ・軟らかさを調節する物質や甘み、香りなどをつけます。このように、いろいろなものがたくさんくっついた多くのポリイソプレンを複雑にからませることで、適当なかみ心地とおいしい味のするガムができあがるのです。

そのガムの原料ですが、「水やだ液にはほとんど溶けないが、油脂にはなじみやすく溶けやすい」という性質があります。
そのため、ガムを口に入れると、甘みや香りなど水に溶けやすいものだけが溶け出して、しばらくすると味はなくなって、ガムだけが口の中に残ります。
ところが、油脂分の含まれている食べ物と一緒にガムを食べると、油脂がからまり合ったポリイソプレンのすきまに入り込んで、糸をほどくようにしてからんだポリイソプレンをほどいてしまい、溶け出してしまうのです。
問題に戻ると、黒飴、チョコレート、梅干しの3つのうち、チョコレートには油脂分(カカオバター)が含まれているため、ガムと一緒に食べるとガムが溶けてしまうのです。

 



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