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洗濯のりの主成分であるポリビニルアルコールは、「ビニルアルコール」という成分が糸状に長く結合した高分子です。
一方、洗眼剤に含まれている「硼砂(ほうしゃ)」というものは、化学式Na2B4O7で表される化合物で、水に溶けるとホウ酸イオンを生成します。
洗眼剤を水に溶かした水溶液に洗濯のりを加えると、洗眼剤に含まれている硼砂から生成された「ホウ酸イオン」が、洗濯のりの主成分であるポリビニルアルコールの水酸基(-OH)とゆるやかに結合(水素結合)し、ゼリー状の「ポリビニルアルコール-ホウ酸複合体」が生成されます。



この「ポリビニルアルコール-ホウ酸複合体」の特長は、立体的な編み目構造を持っていること。この編み目構造の中には、水分子などを取り込むことができるのですが、複合体自体の結合が弱いため、まるでおモチのように簡単に切れてしまったり、くっついたりします。硼砂の濃度や洗濯のりの量を変えると、ゼリー状のかたまりの硬さを調節できますよ。
このように、高分子の編み目構造の中に水分子を取り込んだ構造のものを「ハイドロゲル」と言います。ハイドロゲルはさまざまな材料から作ることができ、コンタクトレンズや紙オムツなどいろいろな分野で活用されています。

 



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