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水性のサインペンの黒い色は、いろいろな色(色素)が混じりあってできています。チョークにつけた黒いサインペンの色(色素)は、水がチョークをのぼっていくときに一緒にのぼっていきます。これを「展開」と言います。
さらに、サインペンの色(色素)は、水への溶けやすさやチョークに対してのとどまりやすさなどによって、のぼっていくスピードが異なるため、だんだんと色(色素)が分かれていきます。
このような現象を「クロマトグラフィー」と言います。
上の図を見てください。
この図では、チョークではなくてろ紙を使っていますが、チョークを使った実験と同じように、ろ紙の下から上に向かってさまざまな色が「展開」しているのがわかりますね。
正解は「チョークの表面が何層かに染まる」ですが、サインペンのメーカーや種類によって、同じ「黒のサインペン」でも含まれている色(色素)の数や種類が異なるため、色の分かれ方が変わってきます。
みんなの使ったサインペンは、何色に分かれたかな?

■クロマトグラフィーの技術はこんな形で役立っています!
クロマトグラフィーの技術には大きく分けて次の4種類があり、そのどれもが重要な技術です。
1.混合物から物質を分ける手段・・・分離
2.未知の物質が、何かと同じであることを証明する手段・・・同定
3.その物質が含まれているかどうかを調べる手段・・・定性
4.その物質がどのくらい含まれているかを調べる手段・・・定量
これらの技術は、例えば次のような調査に活用されています。

(例1)

●野菜や果物などには、何種類の成分が含まれているのか→分離
●その野菜や果物には、ビタミンAは含まれているのか→定性

(例2)

●ゴミを焼却した後の灰の中には、どんなダイオキシンが含まれているのか→同定
●そのダイオキシンはどのくらい含まれているのか→定量
他にも、医薬品の中の成分の確認や調製といった工業的な目的にも利用されています。


 

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