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青紫色にならないのはどれかな?

正解は「熱湯の入った試験管」でした!そのしくみとは?
デンプンとヨウ素系うがい薬の反応は、皆さんご存知の『ヨウ素デンプン反応』です。
片栗粉のデンプンはジャガイモから精製されたもので、「α-グルコース」といわれる物質がたくさん結合した高分子です。
このうち、α―グルコースどうしが列車のように直鎖状につながったものを「アミロース」といい、ジャガイモのデンプンには約25%のアミロースが含まれています。
実は、ヨウ素デンプン反応で青紫色になるのは、このアミロースが関係しています。
アミロースの直鎖状につながった部分は、立体的に規則正しい構造(らせん構造)をしています。このらせん構造の中にヨウ素系うがい薬に含まれるヨウ素が取り込まれ、青紫色の化合物を形成します。
では、なぜ熱湯中では、デンプンは青紫色にならないのでしょうか?
それは、熱湯にデンプンを入れると、アミロースのらせん構造が緩んだり壊れたりして、ヨウ素がスルリと通り抜けてしまい、しっかりと取り込むことができないからです。しかし、熱湯の温度が下がるとアミロースのらせん構造は元に戻るため、青紫色になります。

デンプンは、食酢や酒を加えても、アミロースのらせん構造は変化しないので、青紫色になります。
シカ博士がお答えします

 


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