オキシドールに生のジャガイモを入れると、泡がぶくぶく出るのが観察されます。茹でたジャガイモと酢に漬けたジャガイモでは、殆ど泡は出ませんでした。なぜでしょう?
ジャガイモは、カタラーゼという酵素を持っています。カタラーゼは、過酸化水素が水と酸素に分解する反応の速度を増加させる働きをします(このような働きを「触媒」といいます)。
オキシドールは2.5~3.5 w/v%の過酸化水素水(H2O2+H2O)なので、生のジャガイモを入れると、上の反応が進んで酸素(O2)が発生します。このため、火のついた線香を液面に近づけると、火が強くなります。
ジャガイモを茹でたり、酢に漬けたりすると、タンパク質でできているカタラーゼは変性してしまい(失活といいます)、過酸化水素を分解できなくなります。ジャガイモをいれても酸素が発生しないので、線香の火は変化しません。
カタラーゼはジャガイモだけでなく、他の植物にも含まれている酵素です。また、動物の体では肝臓や腎臓、赤血球に多く含まれています。 |