遺伝子組換えカイコ由来ヒトフィブロネクチン Fibronectin Neosilk®
フィブロネクチンは、代表的な細胞外マトリックスタンパク質の一つであり、細胞の接着・伸展、移動、増殖および分化等を制御します。血漿に存在するアイソフォームである血漿フィブロネクチンは、培養細胞の足場材として広く利用されてきましたが、ヒトや動物の血液が原料であるため、病原体混入のリスクとなることが課題となっています。また、細胞性フィブロネクチンは、細胞が自分自身の生育環境を整えるために合成するアイソフォームであり、細胞の接着・伸展性および細胞増殖促進効果等に優れているとされておりますが、精製品を入手することが困難でした。
株式会社免疫生物研究所のFibronectin Neosilk®, PlasmaおよびFibronectin Neosilk®, Cellularは、ヒト感染性の病原体を持たないカイコを用いて生産した、組換え型の血漿フィブロネクチンおよび細胞性フィブロネクチンです。間葉系幹細胞(MSC)をはじめとする各種培養細胞のコーティング剤としてお使い頂けます。
特徴
- 遺伝子組換えカイコで生産した動物由来成分フリーのヒトフィブロネクチン
- 間葉系幹細胞をはじめとする各種培養細胞のコーティング剤として使用可能
製品ラインナップ
Fibronectin Neosilk®, Plasma
- 血漿フィブロネクチンのモジュール構造(mRNAスプライスバリアント)をベースに設計
- EDA (-), EDB (-), IIICS (+)
- 分子量:499 kDa(C末側SS結合を介したホモダイマー)
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Fibronectin Neosilk®, Cellular
- 細胞性フィブロネクチンのモジュール構造(mRNAスプライスバリアント)をベースに設計
- EDA (+), EDB (+), IIICS (+)
- 分子量:539 kDa(C末側SS結合を介したホモダイマー)
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アプリケーションデータ
間葉系幹細胞(MSC)の接着アッセイ
各種コーティング剤をディッシュにコートし、MSC を接着させ、接着細胞数の相対値を算出しました。Fibronectin Neosilk®, PlasmaとFibronectin Neosilk®, Cellular の間には有意な差はありませんでしたが、Fibronectin Neosilk® は、血漿由来Fibronectinより若干接着活性が高く、カイコで生産したラミニン511 E8 より優位に高い接着活性を有していることが確認できました。
(免疫生物研究所が、山陽小野田市立山口東京理科大学 薬学部再生医療学分野 嶋本顕教授および告恭史郎助教との共同研究として実施されたデータを提供いただきました)
間葉系幹細胞(MSC)の細胞増殖アッセイ
テルモBCT 社の細胞培養装置(Quantum Cell Expansion System)を用いた評価を行いました。Fibronectin Neosilk®, Plasma 上に播種した細胞は、市販FN より若干増殖率が高く、さらに、Fibronectin Neosilk®, Cellular 上の細胞はFibronectin Neosilk®, Plasma と比べても細胞増殖速度が速いことが分かりました(左図)。培養後、Fibronectin Neosilk®, Cellular では、Fibronectin Neosilk®, Plasma を用いた場合の4.4 倍の細胞を回収することができました(右図)。
※ 組織培養デッシュ等を用いた2 次元培養の場合は、Fibronectin Neosilk®, Cellular とFibronectin Neosilk®, Plasma の間に顕著な違いが見られない場合があります。
(免疫生物研究所よりデータを提供いただきました)
製品一覧
製品番号 | 製品名 | 保存温度 | 包装 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
49966-01 | Fibronectin Neosilk , Cellular (細胞性フィブロネクチン) | 冷蔵 | 1mg | |
49966-00 | Fibronectin Neosilk , Plasma (血漿フィブロネクチン) | 冷蔵 | 1mg |
★本製品は試験研究用です。ヒトや動物を対象にした医療や臨床診断の目的では使用しないでください。
・「法律」,「SDS」,「在庫」など詳細情報は、[Cica-Webで確認]ボタンをクリックいただきご確認いただけます。
・試薬のご購入とご使用に際して
パンフレット
遺伝子組換えカイコ由来ヒトフィブロネクチン Fibronectin Neosilk®
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