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大気汚染防止法改正に係るアスベスト分析について

 建築物の解体工事等に伴う石綿飛散防止対策の一層の強化を図る『大気汚染防止法の一部を改正する法律』が、令和2年6月5日に公布されました。これまでの規制対象であった「吹付け石綿(レベル1)」と「石綿含有断熱材、保温材、耐火被覆材(レベル2)」に加え、「その他の石綿含有成形板等(レベル3)」も新たに規制対象となりました。さらに令和4年4月より、解体、改造、修復工事の対象建築物について石綿含有に関わらず事前調査の報告が義務化されるため、大幅に検査件数が増加することが見込まれます。

1.背景

 石綿(アスベスト)は、天然にできた鉱物繊維であり、熱や摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性を持つことから、建材、摩擦材、シール断熱材といった様々な工業製品に使用されてきました。
 しかし、アスベストは人の髪の毛の直径よりも非常に細く、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすいため、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。そのため、『労働安全衛生法施行令』により平成18年9月から、製造、使用等が全面的に禁止されています。
 また『大気汚染防止法』により、アスベスト飛散防止を目的に、建築物の解体、改造、補修工事に伴うアスベストの分析が義務付けられています。

≪石綿建材の種類≫ 石綿建材の種類

2.アスベストの種類

アスベスト名 備考
クリソタイル(白石綿) ほとんどすべての石綿製品の原料として使用されてきた。
世界で使われた石綿の9割以上を占める。
クロシドライト(青石綿) 吹付け石綿として使用されていた。
他に青石綿は石綿セメント高圧管、茶石綿は各種断熱保温材に使われてきた。
アモサイト(茶石綿)
アンソフィライト石綿 他の石綿やタルク(滑石)、蛭石などの不純物として含まれる。
トレモライトは吹付け石綿として一部使用されていた。
トレモライト石綿
アクチノライト石綿

3.建材中の石綿含有率の分析方法

試料の採取 建材(吹付け材、保湿剤、成形板)から適量の試料を採取する。
分析試料の調製 目開き425~500μmのメッシュを通るまで試料を粉砕する。
定性分析 建材中のアスベスト含有の有無は、分散染色法とX線回折分析法の双方の分析結果で判断する。
・分散染色法
・X線回折分析法
定量分析 定性分析でアスベスト含有が認められた場合、X線回折分析法による定量分析によってアスベスト含有量を算出する。
・X線回折分析法
JIS A 1481「建材製品中のアスベスト含有率測定法」について

分析手順

分散染色法
1. 50mL共栓試験管に試料10~20mg、精製水20~40mLを入れ、振とうする。
2. 50mLコニカルビーカーに移し、マグネチックスターラーで撹拌する。
3. スライドグラス上にマイクロピペッターで10μL滴下、乾燥する。
4. 浸液を滴下し、混合・分散分析用試料の調製する。
5. 位相差顕微鏡により計数する。

X線回折分析法
1. 試料100mgをコニカルビーカーに入れ、20%ギ酸20mL、無じん水40mL加えて超音波洗浄機で1分間分散する。
2. 30±1℃の恒温槽内で30秒撹拌、90秒静置を6回繰り返す。
3. フィルターを装着したガラスベース付吸水ろ過装置で吸引ろ過する。
4. 乾燥させたフィルターをX線回折装置により分析する。

4.関連製品

簡易検出キット

 アスベスト含有の判断は、建材を見ただけでは判断がとても難しく、熟練が必要となります。簡易検出キットは、検体数が多いユーザーが調査の優先度をつけるため、簡単にアスベスト含有を調べたいという要望から商品化されました。新たに規制対象となった「その他の石綿含有成形板等(レベル3)」にも対応しております。
※簡易分析のため、検査結果に対してアスベストの含有の有無を保証するものではありません。

≪株式会社共立理化学研究所≫

製品番号 製品名 包装 価格(税抜き)
49356-07 アスベスト検出キット 1pack(20回分) ¥12,000
アスベスト検出キット
特 徴
専門知識を必要とせず、その場で簡単に使用できます。
わずか5分でアスベストが検出できます。
解体現場における石綿含有のスクリーニングができます。
JIS A 1481による測定の前の石綿含有の推定などにも利用可能です。
みなし含有/含有不明のふるい分けに利用することで、工期の短縮や分析依頼費用の低減が期待できます。
アスベスト検出キット(DK-ASB-2)使用法
アスベスト検出キット(DK-ASB-2)の使用方法の詳細はこちら

アスベスト検出キット(DK-ASB-2)製品パンフレットはこちら

㈱共立理化学研究所 アスベスト検出キット
検出可能なアスベストの種類 材料レベル1、2、3の建材
操 作 前処理不要
反応時間 5分程度
法規等 非該当 (SDSはこちら
試薬のみの追加購入 不可

製造販売元:株式会社共立理化学研究所
製品の詳細はこちら(外部サイト) ➡ https://kyoritsu-lab.co.jp/products/dk_asb_2


≪株式会社ユニケミー≫

製品番号 製品名/キット構成 包装 価格(税抜き)
49002-62 アスベスト簡易判定キット-プロ(基本セット) 1kit(10回分) ¥50,000
携帯用ケース1個、ロート3個、ビーカー20個、廃液入れ1本、脱脂綿1袋、蒸留水1本、撹拌棒2本、ピンセット1本、スプーン1本、判定試薬10回分
49002-63 アスベスト簡易判定キット-プロ(追加試薬セット) 1kit(10回分) ¥13,000
ビーカー20個、脱脂綿1袋、蒸留水2本、判定試薬10回分
アスベスト検出キット
特 徴
特殊な技術がなくても簡単にその場でアスベストの含有判定ができます。
マグネシウム・鉄に反応して呈色するため、クロシドライトはもとより、どんな種類のアスベストに対しても適用できます。
前処理液で妨害物質を除去するため、ロックウールが混在する試料でも判定が可能です。
操作は 10分程度、判定に必要な時間は60分から90分です。

試料のサンプリング 1.粉砕した試料をビーカーに入れます。
洗浄工程(前処理液) 2.前処理液(赤キャップの試薬)を滴下します。
3.ロートを使用し蒸留水を注ぎます。
溶解工程(溶解液) 4.固まった"3"を別のビーカーに入れます。
5.溶解液(黄キャップの試薬)を滴下します。
呈色工程(調整液・呈色液) 6.調整液(青キャップの試薬)を滴下します。
7.呈色液(緑キャップの試薬)を滴下します。
判定 8.取扱説明書中のチェックシートでアスベストの含有を判定します。
アスベスト簡易判定キット-プロ判定基準

※操作は10分程度、判定に必要な時間は60~90分です。
アスベスト簡易判定キット-プロの使用方法の詳細はこちら

㈱ユニケミー アスベストワカール・プロ
検出可能なアスベストの種類 材料レベル1、2、3の建材
操 作 前処理あり
反応時間 60 ~ 90分
法規等 毒物および劇物取締法、消防法
※フッ化水素酸(毒物)が含まれますのでお取扱いには十分ご注意ください。
(SDS:前処理液溶解液調整液呈色液
試薬のみの追加購入

製造販売元:株式会社ユニケミー
製品の詳細はこちら(外部サイト) ➡ https://unichemy.co.jp/product/product-312/

試験法用試薬

≪アスベスト分析用標準屈折液≫

 米国Cargille研究所のアスベスト分析用標準屈折液を各種販売しております。位相差顕微鏡によるアスベストの定性分析に広く用いられており、特定の屈折率を有する標準屈折液(浸液)を用いることで、分散染色法によるアスベストの定性分析が可能となります。

製品番号 製品名 包装
49002-70 標準屈折液セット(アスベスト分析用)
屈折率:1.550/1.580/1.605/1.640/1.680/1.700 の6本セット
1/4オンス(6本入り)
49002-71 標準屈折液(1.550) 1オンス
49002-72 標準屈折液(1.680) 1オンス
49002-74 標準屈折液(1.690) 1オンス
49002-73 標準屈折液(1.700) 1オンス

上記以外の屈折液も取り扱っております。(1/4オンス=約7mL、1オンス=約30mLに相当します)


≪その他関連試薬(標準試料、前処理用試薬)≫

製品番号 製品名 規格 包装 価格(税抜き)
01449-97 アスベスト(クリソタイル型)   200mg ¥13,000
16064-00 ぎ酸 特級 500ml ¥2,200

5.お問い合わせ・お見積もり依頼

本件についてのお問合せおよびお見積り依頼はこちらよりお願いいたします。
お見積りは最寄りの弊社支店・営業所もしくは販売店よりご回答いたします。