シカジーニアス® AmpC遺伝子型検出キット
ESBLs類似の耐性菌であるAmpC産生菌は、ボロン酸やクロキサシリンなどで阻害のかかる耐性菌であり、ESBLs産生菌と異なりセファロスポリン系、セファマイシン系抗菌薬も無効となることが危惧されております。AmpC型の遺伝子は細菌の染色体上に元々保有されている染色体性AmpC、プラスミド上に存在するプラスミド性AmpCに分類されます。特にプラスミド性のAmpC遺伝子は菌種を超えて広がる可能性があり、日常的な対策・監視の必要性が高まっております。
本製品は、広島大学 院内感染症プロジェクト研究センター鹿山先生、原先生、菅井先生、大毛先生との共同研究の成果を用いて開発された製品です。1検体につき2種類のマルチプレックスPCRを行うことで、代表的なAmpC型β-ラクタマーゼ遺伝子ファミリー6種類の検出が可能です。
特徴
- CIT, FOX, ACT, DHA, ACC, MOX遺伝子ファミリーの検出が可能です。
- 一般的なサーマルサイクラーで、約3時間で検出可能です。
- PCR条件は当社カルバペネマーゼ遺伝子型検出キット2、ESBL遺伝子型検出キット2と同一です。
キット構成(30回)
個別名称 | 容量 | 数量 | |
---|---|---|---|
試薬A | AptaTaq DNA Master(5×Conc.)* | 240 μL | 1 本 |
試薬B | PCRサプリメント | 420 μL | 1 本 |
試薬C | プライマーミックスα | 120 μL | 1 本 |
試薬D | プライマーミックスβ | 120 μL | 1 本 |
試薬E | ポジティブコントロール | 100 μL | 1 本 |
試薬F | 6×ローディングバッファー | 240 μL | 1 本 |
*AptaTaq DNA Master(5×Conc.)は、Roche Diagnostics K.K.の商品です。
操作手順
- AmpC産生疑いの菌を分離
- DNA抽出を行い、テンプレートDNAを調製
- 2種類のマルチプレックスPCR
- アガロースゲル電気泳動
- バンドパターンの読み取り
- 判定
検出対象遺伝子とその増幅サイズ
検出対象遺伝子 | 増幅サイズ(bp) | |
---|---|---|
Reaction mixture.1 | bla CIT family | 576 |
bla FOX family | 364 | |
bla ACT family | 213 | |
Reaction mixture.2 | bla DHA family | 619 |
bla ACC family | 403 | |
bla MOX family | 266 |
電気泳動例
100: 100 bp DNA ラダー、P: ポジティブコントロール(試薬E)、
1: CIT陽性菌株、2: FOX陽性菌株、3: ACT陽性菌株、
4: DHA陽性菌株、5: ACC陽性菌株、6: MOX(人工遺伝子)、
N: ネガティブコントロール(TE緩衝液)
操作上の注意点
- 本製品では、菌種を推定することはできません。
- 本キットでAmpC 遺伝子が検出されても、遺伝子の変異や発現等の影響で抗菌薬に耐性を示さない場合があります。
- 適用範囲の遺伝子ファミリーであっても、亜型によっては検出できない場合があります。
- 染色体上に適応範囲のAmpC 遺伝子を保有する菌種では、染色体上のAmpC 遺伝子も検出されます。
- 電気泳動の緩衝液は、TAE 緩衝液をご使用ください。
- 本製品は試験研究用として販売しております。ヒトや動物を対象とした医療や臨床診断の目的には使用できません。
製品一覧
製品番号 | 製品名 | 保存温度 | 規格 | 包装 | 詳細 |
---|---|---|---|---|---|
08143-96 | シカジーニアス AmpC遺伝子型検出キット | 冷凍 | 分子生物学用 | 1pack(30回分) | |
08178-96 | シカジーニアス DNA抽出試薬 | 冷蔵 | 分子生物学用 | 1pack(120回分) |
★本製品は、広島大学 院内感染症プロジェクト研究センターとの共同研究の成果を用いて開発された製品です。
★他メーカーの商品に関するライセンス・パテントについては、各メーカーにご確認ください。
★製品の仕様は、製品の改良のため変更する場合がございます。あらかじめご了承ください。
・「法律」,「SDS」,「在庫」など詳細情報は、[Cica-Webで確認]ボタンをクリックいただきご確認いただけます。
・試薬のご購入とご使用に際して
パンフレット
シカジーニアス® AmpC遺伝子型検出キット
遺伝子検出関連製品ガイド
取扱説明書
関連製品ページ
ライフサイエンスに関する
お問い合わせ
メールでのお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ